どんな言語も簡単に習得できる方法 [書き起こし]

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Learn English

どんな言語も簡単に習得できるとしたらどうしますか?

 

今回は、「どんな言語でも簡単に習得できる方法」を紹介します。

 

 

「どんな言語でも簡単に習得できる方法」

話者:マシュー・ユールデン

www.youtube.com

出典:TED: Ideas worth spreading

 

※この動画は、英国人視点で語られているということに注意してご覧ください

 

言語習得ってロボット科学みたいで、難解でほとんどの人には不可能な芸用だと考えられがちです。しかし、そういうふうに思っているのはモノリンガル(言語を1つのみ習得している人)英国人だけではありません。米国やオーストラリアなど、他の英語圏の国に英語話者の人たちも同じように感じています。

私たちはどう言うわけか、外国語を学ぶとか話すとかいう話題になると、自分はすでに多彩な言語に堪能であるつもりになっている節があります。とは言え英語北部、ニュージーランド、ロンドン北部、カナダ訛りのことですけど。とはいえマシュー氏も自分のマンチェスター訛りを非常に誇りに思っています。

訛りは単独の言語とは言えません。長寿番組の連ドラでもマンチェスター訛りには字幕は必要ないからです。

それでもドーバー海峡を超えて、大陸に渡るとき。またはもうちょっと「冒険」して、セヴァーン川の河口を越えて、ウェールズに行けば、違う言語を話したり、バイリンガルであることが現実に話であるということに気づくでしょう。

しかし、そうした多言語な地域や広い世界の人々でさえ、たいてい言語習得というものは、難しく時間を食う上、苦痛も伴う、言うなれば厄介な仕事だと信じ込んでいます。

2011年の国勢調査では、ロンドン市民のなんと22%が、そう4人に1人が家庭で英語以外の言語を話しているそうです。マンチェスター人のマシュー氏でさえ約20カ国語を話します。そうち約半分は流暢に話せます。

 

言語を習得するのは、実は簡単

そしてよく聞かれる質問が「どうして?」です。少なくとも私にとって、答えはシンプルです。マシュー氏は言語を習得するのはそれが何語であっても実は簡単だと確信しています。

その方法を教えます。言語学者、多言語話者、講師としてマシュー氏は言語の学習や習得にはなにを要するのか熟知しています。

 

最大の障害

最大の障害の1つは、言語に関する誤った通説です。その誤りを正さなければと切に感じています。どんな通説なのか、憶えやすいように親しみやすい響きの頭まじでD.I.E.としました。面白いことに口に出して言うのではなく、文字に書き出してみるとドイツ語で「the」にあたる言葉の1つです。

 

誤った通説その1、「外国語の習得は難しすぎて、生まれ持った言語みたいに話せるようになれない」

厳密には言語を生まれ持つ人などいません。例えば会場にいる全員の第一言語が日本語であってもおかしくないのです。ただ単に概して幼少期からどっぷりと浸って育った言語というだけのことです。しかし、実際にはもっと年齢を重ねてから、第二言語さらには第三言語を学び始める人も少なくありません。

さらにそういう人たちは、その複数の言語を完璧に身につけているのです。いわゆる母国語よりも流暢かもしれません。なぜでしょうか?

言語を習得するのに、タイムリミットなどない。

こんな風に言う人がよくいます。「うちの子は学校で英語を習っているが、ぜひ流暢になって欲しい。私にはとてもじゃないが無理だけどね。学生の時にちゃんと勉強しておけばよかった。」それが’研究によると、一般的に子供は自分よりも年齢が上の人よりも言語を習得するのが速い一方で、実は大人が... そう安心していいのです。私たち大人の方が効率的に言語を習得できるのです。なぜでしょうか?大人は過去に学習した経験から言語を習得するのに必要な術をすでに知っているからです。

 

誤った通説その2、「語学なんてやったって意味がない。外国語を習得する必要など全くない。」

外国語を話せると金銭的にも精神的にも、明らかに有利な点が色々とあります。例えば、収入が上がったり、仕事の幅が広がったり、心を健全に保てたり、アルツハイマーのような神経疾患を予防できたりもします。それ以外にも、外国語を話せると思いがけない恩恵にあずかる事があります。例えば、ホテルの部屋が’アップグレードされたりします。

もしかしたら、他の言語を話せるおかげで人生の伴侶に巡り合うことがあるかもしれません。実際に、英国人の約10人に1人が外国生まれの人と結婚しています。

 

2カ国以上話せる人の能力

「ガーディアン」誌に載った、研究によると、2カ国語以上話せる人は、適応能力に優れ、問題解決能力が高く、同時に複数の仕事をこなしたり、優先順位をつけたりするのが上手です。間違いなく現代社会で非常に重宝されるスキルです。スマホ依存症が広く蔓延る社会ですからね。

 

誤った通説3、「習得しようとする言語を話す国に居住しなければならない」 

例え、それが最初のとっかかりの段階だとしても、そんな必要はないのです。

 

「未知の世界」

マシュー氏には、双子の弟がいます。弟とベルリンの住んでいた時、7日間でトルコ語を習得しようと思い立ちました。挑戦しようと思った理由は、本気になればどこまでやれるかを証明するためです。誰もが外国に行って1週間で言語を習得しろという意味でも、実際にそんな短い時間で全てをマスターする事が可能だという意味でもありません。それは無理な話です。ここでの目標は完璧な習得ではありません。その言語を可能な限り短い時間で、できる限り身に付ける事です。

 

「近道をしろ」

この近道のいいところは、どんな言語の習得にも使えるという事です。しかし、あまりにシンプルな方法なので拍子抜けするかもしれません。「なぜ今まで思いつかなかったのか?」と。

 

近道1、「似ている部分を探してそこに注目する」

英語話者から見た多言語は、すでに知っている部分がたくさんあります。英国人の第一言語である英語は、基本はゲルマン語ですが他にも様々な言葉から多大な影響を受け、豊富な語彙を引き継いでおり、その幅は、ラテン語ヘブライ語ヒンディー語など多岐に渡ります。英語に似ている部分に注目すると、その言語の型が掴めます。また、初めて目にする言葉や事象の意味や成り立ちを推測するのにも役立ちます。

 

近道2、「シンプルに徹する」

最初は学習中の外国語と自分の言語との間には、共通点が少ないように感じるかもしれません。しかし、容易な部分に注目すれば、習得が速くなります。すべての言語に易しい要素があるからです。時制が2、3種類しかない言語もあります。

 

近道3、「自分に関係あるものだけを学ぶ」

特に学習を始めたばかりの頃は、必ず自分に関わりのある内容にしてください。英語話者だからと言って「オックスフォード英語辞典」に載っている単語を一字一句知っている訳ではありませんよね。ですから目にする外国語の単語をすべて暗記しようと躍起になる必要はない訳です。現在自分が置かれた状況の中で意義のあるものに集中してください。

 

言語を習得するのに必要な時間

言語を習得するにあたって、おそらく極めて重要な要素は「時間」でしょう。何年も長い学習に費やさねばと考えている人が未だにいますが、そういう意味ではありません。

毎日30分学習する事で、素晴らしく効果的なスタートが切れるとすればどうでしょうか?30分程度の時間なら誰にでもあります。午前中に10分、午後に10分、夜10分。または一気に30分。通学や通勤の途中でもいいし、夕方、待ち合わせに向かう電車やバスの中でもできます。

さらに、定期的に短時間の学習を繰り返す事で、言語に対する抵抗感がなくなります。その上、定期的に繰り返す方がより効率的に習得できます。なぜなら、1、2週間に1回程度の頻度では、次に学習する時には、前に学んだことを忘れてしまっているからです。ですから、語学学習を日課として日常生活の中に組み込むようにしてください。そうすれば1ヶ月後には新しい言語を使えるようになっているでしょう。

 

「受動的学習」

このような積極的な学習法は別な方法での補強が必要です。それは「受動的学習」と呼ばれています。例えば、朝食を食べながらラジオで学習中の外国語の放送を聞いて、その言語の音楽に親しむなどです。音楽を聞くと、音や抑揚やリズムに慣れる事ができる上に、聞こえてくる言葉自体が語彙力向上にも役立ちます。曲を知っていると、言葉を曲に結びつける事ができるからです。こうやって語彙が増えていきます。

ハードな1日の終わりには、学習中の言語でテレビ番組や映画を楽しみましょう!英語の字幕をオンにすれば、他の人も一緒に見る事ができます。

 

「語学学習の黄金律」

こうやって学習の素晴らしいスタートを切って、継続していく事で言語を習得できるでしょう。マシュー氏が「語学学習の黄金律」と呼ぶ、3つのルールがあります。語学を学ぶ人は皆、心がけるべきルールです。

 

ルール1、「学習の言語を使いながら生活する」 

その言語で話して、読んで、書いて、夢を見て、歌も歌いましょう、自分に歌いかけるのです。語学を学ぶなら、言語を自分のものにしなければなりません。

 

ルール2、「間違える」

いくらでも失敗してください。人は失敗から学ぶからです。正しいことを学ぶ唯一の方法です。子供は間違えるのが当たり前だとされます。しかし、大人は失敗を遅れます。失敗すると傷つくからです。最初から、外国語を完璧にマスターするのは無理だと認識していれば、抵抗なく学べます。しかし、その方が習得に向けて、自由に学習を進められるのです。

だから、好きなだけ間違えてください。

 

ルール3、「楽しむ」

これが最も不可欠なものです。文法規則は必ずしも楽しいとは限りません。しかし、英語でできることは、他の何語でもできるのです。楽しんでください!楽しく学んで、その学習過程が面白ければ、モチベーションを保てます。モチベーションが高ければ、成功する確率も高くなります。創造性をバリバリ発揮してください。さらには、周りの人も巻き込んでみては、どうでしょうか?同僚や友達血仲良く競ってみるのです。研究によるとお互い切磋琢磨すれば、成功する可能性が遥かに高くなり、語学力も上がります。

 

まとめ

言語はよく「未知の世界」だと思われがちですが、本当は親しみ深い領域なのです。人間の言語はどれもアイディア、概念、現実を実現するにあたって、得意でありながら美しい表現法をそれぞれ持っています。

 

最初は気づかないかもしれませんが、未知の世界へ踏み込んで慣れしむことで、人間にとって最も恩恵が大きく、満足が高くやくにたつスキルが身につきます。コミュニケーション力です。