半年で外国語をマスターする方法 5つの原則と7つの実践 [書き起こし]

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「どんな大人でも半年以内に外国語を流暢に使えるようになる」と言ったらどう思いますか?日本人は、中高6年間も英語を勉強するのに英語を話すことができない人が多いです。ですが、これから紹介する心理学研究に基づく5つの原則を守り、7つの実践を行うことでそれは実現できるのです!

 

今回は、「どんな外国語でも半年でマスターしてしまう方法 | クリス・ロンズデール | TEDxLingnanUniversity」を紹介したいと思います。

 

 

 

どんな外国語でも半年でマスターしてしまう方法

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出典:TED: Ideas worth spreading

 

2つの誤解

1、才能の必要性

オーストラリア出身のゾーイは、オランダでオランダ語を学んでいました。しかし、この彼女は言葉の習得にものすごく苦労していました。周りの人も見限り、「君には無理だ」と言いました。しかし、その後、彼女はこの5つの原則に出会いました。そして、ブラジルに渡ってそれを実践すると半年でポルトガル語習得することができました。

つまり才能は関係ないのです!

 

 2、外国語を習得するには、その国に行く必要がある

香港にいる西洋人を見ると、10年経っても中国語を話せるようにはなりませんでした。アメリカやイギリス、オーストラリア、カナダに住んでいる中国人を見ると、10年20年住んでいても、英語を話せるようになりません。環境に浸るだけでは、ダメなのです。ここでは、溺れている人は泳ぎ方を学べないという例を出して説明しています。

外国語に関しては大人も赤ん坊も同じです。もし、周りの大人が赤ん坊に対し、全然わからない難しい話ばかりしていたら言葉の習得はできないでしょう。

 

5つの原則

注意力・意味・関連性・記憶 

この4つには密接な関係があって、学習において特に重要になります。

自分の目標達成に役立つ情報なら、注意を払うし、記憶にも残る。

 

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出典:TED: Ideas worth spreading

 

1、言語の自分に関わる部分に集中する

これは次に「道具」にも関連する。道具というものは使うことによって学ぶものであり、必要な道具ほど早く覚えます。

 

2、言語を最初から「コミュニケーションの道具」として使う

例として、キーボードは一種の道具です。中国語の入力には特殊な方法があり、使い方を覚える必要があります。これを学ぼうと火曜と木曜に夜間学校で2時間ずつ、それと家でも練習している人がいました。しかし、9ヶ月たっても中国語が打てるようになりませんでした。

しかし、それがある夜、問題があり、48時間で中国語の研修マニュアルを完成させることになりました。そして彼女はその48時間で中国語が’打てるようになりました。関連と意味と重要性があったからです。彼女は価値を生み出すために道具を使ったのです。

 

3、伝達内容を前もって理解していれば言語は無意識のうちに身に付く

クリス氏は、初めて中国に行ったとき、中国語がまるでできませんでした。しかし、到着して2週間後に夜行列車に乗ることになりました。そして、食堂車で8時間にわたり、警備員とおしゃべりしました。彼は絵を描いたり、身振り手振りや顔の表情を使って伝えようとしました。クリス氏は徐々にわかるようになりました。

その2週間後素晴らしいことが起きました。周りで中国語を話されているとき、部分的にわかるようになりました。中国語を学ぶ努力すらしていなかったのに。

ティーブン・クラッシュンは、さまざまな外国語テストの点数についての発表もしています。

 

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出典:TED: Ideas worth spreading


学校で文法中心に習ったグループの成績より、理解可能なインプットで学習したグループの成績の方がより高かったのです。つまり実践的な理解が習得の鍵になるということ。

 

4、外国語の学習は知識の蓄積でなく、肉体的トレーニングである 

外国語の学習というのは、知識の蓄積とは違います。多くの点で外国語学習はむしろ肉体的トレーニングに近いです。クリス氏が知っている台湾の女性は学校で英語の成績が優秀で常にAを撮っていました。そして、優秀な成績で台湾の大学を卒業し、アメリカに渡りましたが、彼女は周りの人の話すことがわかりませんでした。ついには「耳が聞こえないの?」と聞かれるくらいでした。彼女には英語が「聞こえなかった」のです。

私たちの頭にはフィルターがあって、馴染みのない音は聞こえないのです。言葉が聞こえなければ理解もできず、学べもしません。音を聞き取れなければ、始まらないのです。

話すという行為は、筋肉を使います。顔には43もの筋肉があり、それらを連動させて使うことで、他の人が理解できる音声を作りだすのです。スポーツをやって筋肉痛になるように、外国語学習でも顔が痛くなるようでなければいけません。

 

5、心理状態が重要

もし、悲しみ、怒り、不安などネガティブな感情があると学習はうまくいきません。一方、楽しく。リラックスし、脳からα波が出て好奇心を感じるなら、言語を素早く学べるでしょう。特に不完全なことに対する寛容が必要です。

100%理解しないと気が済まないというタイプなら、外国語を聞くのは耐えがたいものでしょう。完璧に理解できないことに終始苛立つことになるからです。逆にわからないところがあっても気にせず、わかる部分に注意を傾けるならリラックスして速やかに学べるでしょう。

 

7つの実践

1、たくさん聞くこと

「脳を浸す」ともいいます。学習している外国語をたくさん聞くことになる環境を整えてください。理解できるかどうかは問題ではありません。言葉のリズムや繰り返されるパターン目立つ部分に耳を傾けるのです。 

 

2、言葉より先に意味を知ること

 人間のコミュニケーションは多くの部分身振り手振りで行われます。ボディーランゲージから多くのことが分かります。理解可能なインプットによって理解しているのです。また、すでに知っているパターンを利用することができる。

 

3、単語を組み合わせること

動詞10個と名詞10個と形容詞10個だけで1000個の異なる文章が作るるのです。言葉を使うというのは創造的な行為です。組み合わせ、創造的になり、楽しみましょう!完璧でなくても伝わればいいのです。

 

4、核の部分に集中すること

頻繁に使われる部分を覚えるという事です。英語の場合1000語で日常会話の85%をカバーできます。3000語あれば日常会話の98%をカバーできます。3000語知っていれば英語は話せると言うことです。それ以外はおまけのようなものです。

 

5、「道具箱」から使い始める

1週目には、学ぶ上で必要な言い回しを覚えてください。例えば、「What's this?(これはなに?)」、「How do you say?(それはどう言うんですか?)」、「I don't understand.(分かりません)」、「Repeat that please(もう一度言ってください)」、「What does that mean?(どう言う意味ですか?)」などです。学ぶ言語で言えるようにし、それを矢砕く言語として使って、その他のことを学んでいくのです。

2週目には、次のようなことを言えるようになってください。「me(私)」「this(これ)」「that(あれ)」「you(あなた)」「give(あげる)」、「hot(あつい)」などです。簡単な名詞・代名詞・動詞・形容詞を使って幼児のようにコミュニケーションをするのです。

3、4週目に「繋ぎ言葉」を練習します。例えば、「Although()」、「But(しかし)」、「Therefore(だから)」などです。文をつなげてより複雑な意味を表せるようにするものです。その時点で「話している」と言えるでしょう。

 

6、「外国語の親」を見つける

子供と親のやりとりを見た事があれば、意味が分かるでしょう。小さな子供が話すときは簡単な単語の組み合わせで話します。文法や発音が変なこともあります。家族以外には意味不明かもしれませんが、親は理解します。だから、子供は安心できる環境で話し、自信を持つことができます。親は身振り手振りを使い、子供にわかる優しい言葉を話します。理解可能なインプットのある安心できる環境を手に入れるのです。この方法はうまくいきます。でなければ、誰も母国語を身に付けられないでしょう。

「外国語の親」となる人はあなた個人に関心があり、対等な立場で接し、あなたが理解できるようきを使ってくれるような人です。

「外国語の親」の条件は4つあります。

  1. あなたの言う事が変でも理解しようと努力すること
  2. 間違いを無理に訂正しないこと
  3. 言ったことをどう理解したかフィードバックを返し、あなたが適切な受け答えや正しい言い方がわかるようにする
  4. あなたにわかる単語を使うこと

 

6、顔の動かし方を真似ること

筋肉を正しく動かす必要があります。その外国語の話者に伝わる発音ができるようになります。ここで心がけるのは、顔の動きに対する音を聞き、聴いたおとで顔の動きを直すということ。これで顔を使ったフィードバックループができます。ネイティブ話者を見る機会があるなら、顔の動きをよく観察してください。ルールというのは、無意識が吸収すれば自然に使えるようになります。

 

7、単語をイメージで覚える

これは「直結」と言うものです。外国語学習者がよくやるのは母国語の単語と外国語の単語を対応づけて、記憶するまで何度も繰り返すということで非常に非効率です。知っているものには全て心の中にイメージや感覚があることに気づいてください。例えば、「火」について話すとき、煙の匂いがし、パチパチと音が聞こえ、炎が見えるでしょう。つまりイメージやそれに関する記憶から入って、別の経路から出るのです。これが「同じ箱・別の道」と呼ばれる所以です。この経路は時間をかけて、形成され、新しい音を元からある自分の内部イメージに関連づけるのがだんだんうまくなっていきます。何度も繰り返すうちにこの作業は上達し、無意識にできるようになります。

 

まとめ

1つやるだけでも、みなさんの外国語は上達するでしょう。これは外国語学習者が自分で自由にできることですが、全てを実践したら半年で外国語を使いこなせるようになることでしょう。

 

みなさんもこの5つの原則と7つの実践を使って、半年で外国語を習得しましょう!!